ENGINEER 2023年05月01日オフショア開発とは？日本で人気の理由や現状と今後について解説
「最近よく聞くオフショア開発とはなんだろう？」
「オフショア開発が増えている理由や今後について知りたい」
こんな方に向けてこの記事を書いています。
この記事では、近年増加しているオフショア開発とは何かとオフショア開発が日本で人気の理由、そしてオフショア開発の現状と今後の動向についてご紹介します。
目 次CONTENTS
オフショア開発とは
オフショア開発（Offshore Development）とは、Webシステムやアプリケーション、サービス、ソフトウェアなどを、人件費の安い海外の会社やリソースを使って委託開発することを言います。また、開発だけにとどまらず、運用や保守、管理などを任せることもあります。オフショア開発の「オフショア（Offshore）」とは、「Off：離れる」「Shore：海岸」で「岸を離れた」という意味で、ビジネス用語では「海外市場」を指します。このため、海外での開発を意味する用語として「オフショア開発」という言葉が使われています。オフショア開発先としては、中国やベトナム、インドなどが人気です。
オフショア開発が人気の理由
では、なぜ日本でオフショア開発がこんなにも注目されているのでしょうか。その背景としては大きく2つの理由があります。
コスト削減
オフショア開発先として人気のインドや中国、ベトナムなどは、日本と比較して人件費が安く、単価が下がる傾向にあります。システム開発のほとんどの費用はITエンジニアの人件費であるため、日本人エンジニアと比較して人件費が安い国でオフショア開発を行うことで、システム開発の費用を大幅に削減することが可能になります。ただし、コストが削減できる一方で、言語や文化の違いによるミスコミュニケーションや現地エンジニアの技術力不足による品質問題などが起きる可能性があるため注意が必要です。
国内のITエンジニア不足
1980年代に中国でのオフショア開発が始まった当初は、コスト削減が主な理由でした。しかし、昨今ではコスト面だけでなく、国内の深刻なITエンジニア不足もオフショア開発増加を後押ししています。一方、海外ではITエンジニアのリソースに余裕があるところも多く、オフショア開発を行うことで優秀なITエンジニアを確保できます。また、大規模開発や納期が短い場合にも、オフショア開発で大量の優秀なITエンジニアを確保することで対応できます。
オフショア開発の現状と今後
ここまで紹介してきたような理由により、日本ではオフショア開発の需要が増加し続けてきました。ここでは、そんなオフショア開発の現状と今後についてご紹介します。
オフショア開発の現状
日本のオフショア開発先の多くを占める中国やIT大国として有名なインドは、オフショア開発先として大変重要です。しかし、近年はこれらの国々のITエンジニアの人件費が高騰するという課題が出てきています。そのため、コスト削減を理由にオフショア開発をする場合は、再検討する必要があるのが現状です。一方で、現在オフショア開発先として人気急上昇中であるベトナムのITエンジニアの平均年収は日本人ITエンジニアの3分の1程度と言われています。ほかにもフィリピンやインドネシアなど、現在でもオフショア開発によるコスト削減が可能な国々は存在します。
オフショア開発の今後
オフショア開発の一番のメリットはコスト削減です。実際、日本企業でオフショア開発を行なっている多くの企業は日本人ITエンジニアの高い人件費を避けるために人件費の安い国々でのオフショア開発を行なっています。しかし、オフショア開発にはメリットだけでなく、デメリットもあります。時差や物理的な距離、政治的要因、言語や文化の違い、仕事に対する意識の違い、仕事の進め方の違いなどの課題があり、プロジェクトが失敗におわることも少なからずあります。また、海外のITエンジニアの人件費上昇に伴い、コスト削減のメリットも小さくなってきています。一方で、大規模開発や短納期の案件で国内のエンジニア不足を補うためには、コスト削減ができなかったとしてもオフショア開発を検討することになるでしょう。今後は、オフショア開発センターとして人気だった中国やインドの人件費高騰による失速、ベトナムなどの人件費が安い国々の台頭、そして新たな新興国でのオフショア開発の人気が高まることが予想されます。
語学力とITスキルを掛け合わせてキャリアアップしませんか？
この記事では、オフショア開発とは何かをご紹介しました。現状、オフショア開発先は中国やインドからベトナムなどへ移行し始めるなどの変化はありますが、日本でのオフショア開発の人気は今後もしばらくは変わらないでしょう。そのため、オフショア開発で活躍できる英語などの語学力とITスキルを兼ね備えたバイリンガルIT人材の需要は今後ますます高まることが予想されます。
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