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DESIGNER 2023年09月15日【海外就職インタビュー】アメリカ・グラフィックデザイナー_YUさん(前半)

バイリンガルIT人材の就職体験をお伝えするインタビュー。就職活動や現地での職場環境などリアルな体験談をお届けします。今回は、アメリカの現地企業でグラフィックデザイナーとしての就業経験を持つYUさんにお話をおうかがいしました。(前半)

<Interviewee>

ニックネーム:YUさん(女性)

年齢:35歳

国/地域:アメリカ/シアトル

業界:デザイン業界

職種:グラフィックデザイナー

1、海外就職をするまでの経歴について教えてください。

私が海外就職をしたきっかけは、海外留学でした。高校卒業後に、地元である沖縄の離島を飛び出してアメリカの大学に留学したんです。

アメリカ大学留学中は、グラフィックデザインと印刷技術というかなりマニアックな学科を専攻していました。

クラスメイトはアメリカ人ばかりで、年齢層が広く「多様性」について身をもって体感できました。

当時の私は、日本に帰国するお金がもったいないと感じていたので、在学中は一度も日本に帰りませんでした。

大学に通いながら、オンキャンパスのアルバイトをしていました。あっという間に3年半ほどで無事大学を卒業できました。

2、なぜ海外就職をしようと思ったのですか?

私は以前から、就職活動において「新卒採用」や「中途採用」のように分類分けされていることが違和感でした。

日本の「就活」という独特な就職方法にも疑問を感じていたのかもしれません。

学歴や年齢で判断されるのではなく、自分が提供できるサービスの内容を元にして採用して欲しいと強く感じていたんです。

だからこそ、自分の力を余すことなく発揮して働きたいという理由から、大学卒業後は海外で働こうと決めたんです。

そして、飛び込んだアメリカ生活で「個を見て判断してくれる」という環境に驚きを覚えました。

この国なら、私自身のスキルを見て選んでくれると感じました。

そして大学卒業後は、そのまま現地企業で働きたいと考えるようになりました。

3、なぜその国を選んだのですか?

私が留学する際に重要視したのは「どの言葉を使って学んでいきたいか?」というポイントでした。

ヨーロッパにしようかと悩んだこともあるのですが、やはり生きた英語を習得したい。

将来どのような方向に進んでも活かせる言語を身につけたいと考えた結果、アメリカ英語を学ぶと決めたんです。

そしてアメリカの中でも、自然と都会のバランスがとれているワシントン州シアトルを選びました。

やはり海外で暮らすからには、刺激だけではなく暮らしやすさも大切だと思ったんです。

4、就職先の企業について教えてください。

私が就職した企業は、現地のデザイン会社でした。

現地企業や現地の学校などをクライアントに持ち、主にグラフィックデザインやWebデザイン、イベントデザインなどを業務としていました。

5、仕事内容について教えてください。

その会社では、グラフィックデザイナーとして2年ほど勤務していました。

小さな会社だったので肩書きというものはとくになく、デザイン業務全般に携わっていました。

現地企業から依頼されたデザイン制作物を作ったり、現地の大学内で使われているデザイン制作物や販促物の制作をしていました。

大学で学んだ印刷に関する知識を活かし、実際に現地の制作物を印刷する際の立ち会いなどを担当していたので、さまざまな現地企業とお話しする機会に恵まれていたと思います。

6、就職時の英語レベルはどの程度でしたか?

留学期間は3年半ほどで、滞在中に受験したTOEICは890点でした。

留学当初は、英語にはとても苦戦したんです。英語の集中クラスで学びながら、積極的に現地の人とコミュニケーションをとるようにしていました。

興味がある分野であれば学びやすいだろうと考え、デザインや写真のコミュニティに参加していました。

毎日通うカフェで出会う人たちと積極的に会話するようにしたのも、英語が伸びたきっかけです。

とにかく、単語や文法を勉強するのではなくコミュニケーションに重点をおきました。

ストレスなくコミュニケーションをとれるようになると、自然に単語や文法が身についてきたように感じます。

7、就職活動について教えてください。

私の場合は、留学からそのまま現地就職しました。

そのため就職方法としては、特殊なタイプだと思います。

海外就職をサポートしてくれる会社や、就職方法についてアドバイスしてくれる留学生の先輩がいたわけではなく、現地の繋がりから海外就職できました。

現地で行った具体的な就職方法としては、大学在学中から積極的にデザイン関連のイベントに出向いていました。

その際には必ず、連絡先とポートフォリオを持参して、いつでも売り込めるようにしていましたね。

積極的にコミュニケーションをとっていたおかげか、その分野での知人も増えたので、知人からの紹介で仕事のオファーをいただいたこともあります。

グラフィックデザイナーという職業を目指していたこともあり、自分の作品を積極的に多くの人に見てもらえるようにしました。

実際に私の作品やポートフォリオを見て興味をもっていただいたことがきっかけで、採用面接の機会をいただきました。

採用面接ではポートフォリオ以外に、その会社で達成したいビジョンを積極的にアピールしたのを覚えています。

グラフィックデザイナーという仕事だからこそ、自分のセンスやスキルを全面に出してつながりを広げる就職方法が適していたのかもしれません。

8、職場環境について教えてください。

私が働いていた会社は、そこまで規模の大きくないデザイン会社でした。

私と同じようにデザイン業務に携わっていたのは数名で、それぞれが個々にプロジェクトを任されていました。

当時21歳だったのにもかかわらず、年齢や勤務年数などを気にせずにコミュニケーションをとれる楽しい職場環境だったんです。

社内ミーティングも和気あいあいとした楽しい雰囲気で進み、仕事が終わったら仲間と夕飯を食べに行くような充実した毎日でした。

週1で直属上司と社長と一緒にミーティングをしていたのですが、日本の会社では信じられないほどフレンドリーで楽しい時間だったことを思い出します。

社内の職種やポジションに関係なくお互いを認め合える環境は、私自身が成長するためのモチベーションにも繋がりました。

9、海外就職においてギャップを感じることはありましたか?

良かった点は、やはり私個人のスキルを認めてくれたという点です。

どんなプロジェクトも全力を出しきれたのは、仲間が私を信頼して支えてくれたからだと思います。

フレックスな働き方や、壁を作らないコミュニケーションなどは、効率よく働く上でとても必要なものだと感じました。

悪かったと感じる点は少ないです。

数少ないひとつ目は、社内が和気あいあいとし過ぎてメリハリが無いという点です。

社内コンペなどが無い会社だったので、一緒に働く仲間はみんな友達のような関係でした。

そのため、日本で働く際に感じるような緊張感を味わった記憶がありません。

緊張感を持ちながら働く環境も、時には必要だったのかもしれないと感じました。

ふたつ目は、とにかく外食や交流にお金と時間がかかるという点ですね。

仕事終わりのご飯や、上司のホームパーティなど、仕事以外でも会社の仲間と過ごす時間が増えました。

仕事以外でも交流が増えると、必然的に外食費や交流費がかかってしまいます。

自分だけのプライベートな時間を大切にしたい場合は、働き方や仲間との接し方に注意する必要があります。

ITスキルと語学スキルを活かして働こう!

以上、今回は、アメリカの現地企業でグラフィックデザイナーとしての就業経験を持つYUさんにお話をおうかがいしました。(後半へ続く)

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