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DESIGNER 2023年10月01日【海外就職インタビュー】アメリカ・グラフィックデザイナー_YUさん(後半)

バイリンガルIT人材の就職体験をお伝えするインタビュー。就職活動や現地での職場環境などリアルな体験談をお届けします。今回は、アメリカの現地企業でグラフィックデザイナーとして働くYUさんにお話をおうかがいしました。(後半)

<Interviewee>

ニックネーム:YUさん(女性)

年齢:35歳

国/地域:アメリカ/シアトル

業界:デザイン業界

職種:グラフィックデザイナー

1、海外での仕事において苦労したことはなんですか?

海外で働く際は「積極的に自分の意見をアピールする」ことを常に意識していました。

もちろん3年以上の留学経験があったので、積極的に発言してアピールするスキルは大学生活の中で身につけていました。

しかし、ふとした瞬間に受け身になってしまったり「誰かが発言するだろう」と考えてしまったりする時もあったんです。

日本人特有の受け身な姿勢になってしまうだけで、自分が獲得できる仕事も減ってしまう場合もあります。

進んでいるプロジェクトの作業効率も落ちてしまい、結果的に良い成果を出せない可能性もあるのです。

私の場合は、日本の両親や知人との電話の後に、無意識に受け身になってしまう傾向がありました。

そのため、可能な限り日本語を使わず、日本語で考えないようにクセづける必要があったのです。

ひとり言も英語で話して夢の中でも英語で話すようにして、日常的に英語脳でいられるように努力していました。

強制的に英語でしか考えられないような環境に身をおくことで、アメリカでも負けない積極性を身につけられたと思っています。

2、海外での仕事におけるやりがいはなんですか?

海外で働いていた当時は、「デザイナーとしての刺激的な日々」と「努力次第で広がる可能性」に魅力を感じていました。

たとえば、気になっていたアーティストの展示会に足を運ぶために、週末にはニューヨークやカリフォルニアを訪れたりしてることもありました。

デザインのインスピレーションを受けたいと思えば、すぐに行動して掴みに行っていましたね。

振り返ってみれば、海外就職は刺激を受けながら成長するには最適な環境だったと思います。

そして、自分が努力するほど活躍できる場も広がっていく無限の可能性にワクワクしていました。

たとえば、私が働いていたデザイン会社では営業が獲得してきた案件と、自分のコネクションがきっかけで獲得できた案件の2種類がありました。

グラフィックデザイナーといえども「こんな仕事がしたい!」「こんな仕事があるよ!」と会社にアピールすることで新しいチャレンジができたんです。

会社外での活動も認められていたので、新しいことにチャレンジしてスキルアップやキャリアップも期待できる環境はとても魅力的でしたね。

日本帰国後も同じグラフィックデザイナーとして働いていたのですが、海外で働いていた時ほどのやりがいを感じられませんでした。

常にワクワクしながら、新しい刺激を受けて成長したいと考えている人には、海外就職が合っていると思います。

3、海外での仕事において得られたことはなんですか?

海外就職を通して、積極的に行動する姿勢とコミュニケーションスキルが大きく成長しました。

もちろん仕事に直結するデザインスキルも成長したと感じています。それ以上に、1人の人間として大きく成長できたと思うんです。

たとえば、私のはじめての就職が海外ではなく日本国内の企業だったとします。その場合、アメリカ人のように行動できるようになるには、さらに長い時間が掛かってしまっていたことでしょう。

なぜなら、日本では年功序列や相手を思いやるという価値観が一般的だからです。

自分が積極的に行動しない限り成長できないアメリカだったからこそ、ここまでの積極性を身につけられました。

コミュニケーションスキルは、日本人が海外で働く際に磨かなければいけないスキルのひとつだと思っています。

多種多様な人種が暮らしているアメリカで働くためには、日本では当たり前のコミュニケーション方法を、変えなければいけませんでした。

たとえば、日本では「言葉にしなくても意思が伝わるコミュニケーション」が当たり前です。

しかし、文化や歴史背景が変わればコミュニケーション方法やアピール方法も変えていかなければいけません。

英語を話せるのはもちろんですが、文化背景の異なる人と円滑にコミュニケーションをとれるスキルを身につけることが仕事面でもプラスに働くんです。

もちろん、これらのスキルを身につけるのは簡単ではありませんでした。

私の場合、毎日家に帰宅しては「もっと、こうすれば良かった」と自問自答しながら挑戦し続けることでスキルを習得していきました。

4、海外就職における給与について教えてください。

私の場合、人脈を活かして直接アタックする就職方法で仕事が決まったので、給与の事前交渉ができたんです。

そのため、現地のデザイン会社で働きはじめた当時の給与は月25万円からスタートしました。

実際に働いてみて驚いたのは、製作したデザイン制作物の成果次第でインセンティブが随時発生していたことです。そのため、年収は350万円〜400万円ほどでした。

海外生活を終えて国内就職した際には、海外就職した際の年収との金額差に驚いたことを今でも覚えています。

日本帰国後は転職サイトや企業Webサイトに応募する、一般的な就職方法で働き先を探しました。

そして、東京にある広告代理店でグラフィックデザイナーとして働きはじめたんです。

海外就職で培った経験を元に働きたかったのですが、残念ながら当時は日本の大学を卒業していないことがネックになってしまったんです。

日本国内でグラフィックデザイナーとして就職した際の給与は月20万円でした。

当時の会社ではデザイナー職に対するインセンティブ制度が用意されていなかったため、年収は240万円まで下がってしまったんです。

実績とスキルを元に給与を決める海外就職と、学歴と国内での経歴を重視する当時の国内就職の状況にカルチャーショックを受けました。

5、海外での生活について教えてください。

アメリカでの暮らしは、私が想像していた以上に充実したものとなりました。

知人とルームシェアをしながら、さまざまな国籍の人たちと交流できたのは、コミュニケーションスキルを成長させるきっかけにもなったと思っています。

大学時代にお世話になったホストファミリーとの親交も深めていたので、ホストファミリーの元を離れてからも一緒に国内旅行を楽しむような関係でした。

休日には長距離ドライブや旅行を楽しむ日もあれば、ノートパソコンを片手に公園で作業する日もありました。

仕事以外のリフレッシュ時間を過ごしたい場合は、主にアウトドアやスポーツ観戦を楽しんでいたんです。

15年前のシアトルには、日本の若者が楽しんでいるようなカラオケやゲームセンター、そしてテーマパークさえも無かったんですよ。

私にとっての海外生活は、自分らしく日々を楽しみながら、仕事と英語習得に集中できる最適な期間でした。

6、アメリカ・シアトルの魅力を教えてください。

ワシントン州最大都市のシアトルは、美しい大自然と多種多様な文化やビジネスが共存している魅力的な地域です。

ダウンタウンから車で少し足を伸ばせば、美しい湖や広大な3つの国立公園があり、その美しさから「エメラルド・シティ」とも呼ばれています。

シアトルはスターバックス発祥の地ですが、スターバックス以外にも歴史あるローカルカフェが多いのでオススメですよ。

地元の人たちは「お気に入りのカフェはここだけ!」という、こだわりを強く持っています。お気に入りのカフェができれば現地の知人もあっという間に増えていきます。

私自身も、お気に入りのカフェで出会う、たくさんの人との交流を楽しんできました。

大自然と文化だけではなく、最先端のビジネスに触れられるチャンスもあるのがシアトルの特徴です。

スターバックスを筆頭に、アマゾン・マイクロソフト・コストコ・エクスペディア・ニンテンドーアメリカなど、世界的に活躍している大企業がシアトル近郊に本社を置いています。

運が良ければ、本社訪問やセミナー参加、インターンとして働くこともできるのです。

私の留学時代の知人は、本社訪問がきっかけで現在もスターバックス本社でデザイナーとして働いているんですよ。

世界的に活躍している企業からビジネスに関して学べる環境は、海外で活躍したいと考えている人には大きなメリットですね。

リラックスできる大自然と、プライベートと仕事の両方で刺激を受けられるシアトルは、たくさんの人にオススメしたい都市のひとつです。

7、現在の仕事について教えてください。

日本帰国後は広告代理店勤務とスターバックス勤務を経て、現在は地元の沖縄にUターンして働いています。

本業として観光業をしながら、フリーランスの兼業デザイナーとして活動しています。

小さな離島に住んでいますが、お仕事をいただいているのは地元だけとは限りません。

現在受け持っている案件には、日本国内だけではなくアメリカ・シンガポール・香港・韓国などの企業もあるんです。

現地で活動している日本人からの依頼もあれば、海外の知人を通していただく依頼もあります。

私が海外クライアントからの仕事を受けられる理由は、柔軟に対応できるグローバルな視点と英語力なんです。

現在の海外就職で培った経験とスキルは、世界中どこに行ってもプラスに活かせると実感しています。

8、今後のキャリアビジョンについて教えてください。

基本的には、子どもが自立するまでは現在の働き方を維持していきたいと思っています。

なぜなら、この働き方が子ども2人を育てながら働いている私には適していると感じているからです。

子どもが自立したあとは、世界を旅しながらフリーランスデザイナーとして活動してみたいですね。

新しい場所で出会う人たちからビジネスに活かせる刺激をもらいながら、常に成長していきたいと思っています。

9、最後に、これから海外就職を目指す方にメッセージをお願いします。

海外就職はハードルが高いと考えてしまう人もいるのではないでしょうか?

ネイティブ並みの英語力がなければ、海外就職はできないというのは勘違いです。

とくに私が働いていたデザイナーのような専門職の場合は、専門知識やスキルが重要視されます。

英語力やコミュニケーションスキルは、働きながら習得できます。むしろその働く環境に身をおかなければ身につかない英語スキルもたくさんあるんですよ。

私は海外就職したことで、グラフィックデザイナーとしても人間としても、大きく成長できました。

日本国内で働いても成長はしていけると思います。

しかし、海外で働いていると成長スピードも早くなっていくんです。

海外で働いた経験は、その後どの国で働いても活かせるスキルに繋がります。経験を活かして更なるキャリアアップも期待できますよ。

大きな決断を前に不安を感じてしまい、あと一歩が踏み出せないと感じている人は、まずはその環境に飛び込んで欲しいです。

私が実践した就職方法は特例かもしれません。日本国内にいても海外就職ができる就職方法はたくさんあるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

日本とは全く違う文化や環境で働く経験は、あなた自身を大きく成長させてくれますよ。

ITスキルと語学スキルを活かして働こう!

以上、今回は、アメリカの現地企業でグラフィックデザイナーとしての就業経験を持つYUさんにお話をおうかがいしました。(前半を見る)

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