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MARKETER 2023年06月15日海外マーケティング事例16選!マーケターが次の施策を成功に導くヒント

マーケターなら、「次のマーケティング施策に活かせる面白いアイディアが欲しい!」と日々情報を探し求めていることでしょう。そこで気になるのが海外のユニークなマーケティング事例です。
本記事では、日本ではあまり知られていない海外企業やマーケティングキャンペーンの事例のうち、珍しい取り組みや応用しやすい実用的な事例を集めました。
マーケティングキャンペーンの種類ごとにまとめましたので、検討中の施策に応じてチェックしてください。

海外SNSマーケティングの事例
今や消費者とのコミュニケーションツールとして欠かせないSNS。海外企業が行なったユニークなマーケティングキャンペーン事例をご紹介します。

GE(ゼネラル・エレクトリック)社のInstagram運用

GEは6人のインフルエンサーや同社のコアなファンと協力し、Instagramで「#GEInstaWalk」というハッシュタグを使ったキャンペーンを行いました。インフルエンサーとファンに製造施設を見学してもらい、そこで撮影した写真をハッシュタグ付きで投稿してもらいました。

製造現場をドラマチックに切り取った写真は大衆の注目を集め、結果として公式アカウントの閲覧数800万回、ツアー1回につき300万人へのリーチ、3,000人の新規フォロワーを獲得したのです。

Instagramは、消費財やスポーツなど華やかな業界でよく利用されるイメージがあるかと思います。しかしGEは、一見泥臭くて地味な製造現場を印象的かつ美しく切り取ったコンテンツを利用し、エンゲージメント向上やフォロワー増加などを達成できたのです。

アメリカ赤十字社の#DoingMyPartキャンペーン

#DoingMyPartキャンペーンは、アメリカ赤十字社による新型コロナウイルスの蔓延防止を呼びかけるものでした。同社は、新型コロナウイルスの感染を防ぐための活動を促し、その様子をハッシュタグをつけて投稿してもらうよう呼びかけました。

当初、手を洗う様子やマスクをつける様子などをとらえた写真や動画の投稿が予想されていました。しかしその予想を超え、Twitterではワクチン接種報告や新型コロナウイルス用のコールセンターを励ます投稿などが行われ、現在も人々に利用されています。

人々が関心のあるタイムリーな話題を適切な方法で利用した事例と言えるでしょう。

Sport England社の「スポーツをする女性像」を問いかけるキャンペーン

イギリスのSport England社が行った「This Girl Can」というキャンペーンのテーマは、スポーツにまつわるジェンダーギャップでした。同社はウェブサイトやYouTubeの動画で活動的な女性たちを取り上げ、スポーツをする際の見た目や女性らしさにとらわれない女性の姿を伝えました。

同社は「This Girl Can」のキャンペーンを通じて、活動的なライフスタイルを送る2,800万人もの女性のエンゲージメントを獲得したと報告しています。さらには、60万人の女性がSNSでキャンペーンのコミュニティに参加したとのことでした。2021年現在も同じハッシュタグが繰り返し使われており、同社もキャンペーンをリニューアルして継続しています。

海外Eメールマーケティングの事例

メールは多くの世代が利用する、ビジネスコミュニケーションツールの主流です。メールマーケティングが重要な地位を占める一方、いかに開封してもらうか、購買まで繋げるか、といった課題があります。

海外マーケティング事例をチェックして、ぜひ次のEメールマーケティング施策に活用してみてください。

BuzzFeed社のメールマガジンの目を引くメール件名・コピー

娯楽系コンテンツを中心に展開するニュースメディアであるBuzzFeed社は、メールマガジンの件名やプレビューテキストを工夫して開封率を上げています。

例えば朝の7時45分に送られたあるメールには、「Get Up! Get Up Now!(起きろ、今すぐ起きろ!)」という目を引く件名と「It‘s time to get out of bed, people.(ベッドから出る時間だぞ、みんな。)」というプレビューテキストが設定されています。メールマガジンらしくないタイトルを使って興味をそそるうえ、プレビューテキストとしっかりリンクしていてクスッと笑わせるような効果もあります。

おもしろいのが、件名がきちんとメール本文の内容とリンクしている点です。おもしろいだけで終わらせずに、伝えたいメッセージをしっかり読ませる工夫もあります。

 HireVue社のカスタマーリテンションメール

こちらは、顧客へ送る自動送信メールを工夫したHireVue社の事例です。同社は一定期間サービス利用のない顧客に対し、数日後に自動でサービス解約可否を確認するメールを送付しています。

サービスの利用見込みがなくメール開封も期待できない顧客をメーリングリストから除外すると、リストを整理し簡素化できます。こうすることで、メール開封率の向上と適切な数値管理ができるのです。

また、自動解約メールの内容はとてもシンプルで、解約する罪悪感も感じにくい文面になっています。サービス解約後もブランドへのイメージを良好に保つための施策として、学びの多い事例だと言えるでしょう。

BONOBOS社のシンプルなCTA喚起メール

アパレル企業であるBONOBOS社は、メールを通じて顧客とのシンプルかつ双方向のコミュニケーションをとる施策を行なっています。

同社のキャンペーンメールでは、短いメール文面で顧客に自分の服のサイズを選ぶよう促しています。顧客はワンクリックすれば、割引クーポンとともに同社のウェブサイトへ移動し服を選択・購入できるのです。これにより、顧客が服を検索する際の負担が減り、コンバージョンまでの経路が短縮化できます。

通常、メールを読んだ顧客に購買させるという行動喚起(CTA)は難易度が高いです。しかし、同社のメールは顧客がメール文面を読んだりサイトで検索条件を設定したりする負担を下げ、購買までの障害を極力減らしています。

アパレル以外でも、ECサイトで購買を促すビジネスであれば応用したい着眼点です。

海外SEOマーケティングの事例

「ググる」という言葉が広く普及した今、知りたいことは何でもインターネットで検索する時代です。SEO対策による集客手法は、インバウンドマーケティングの一環としてマーケターの注目を集めています。

SEO事情は日々移り変わるため対策が難しいですが、海外マーケティング事例を参考に大事なポイントを確認してみてください。

医療美容サービスを提供するOVME社のウェブサイト簡素化とSEO対策

OVME社は、投資利益率の低い有料広告の削減とブランド認知度向上を目指していました。そこでSEO対策に踏み切り、SEO対策としてウェブサイトを一新しました。

同社はSEO会社と協力し、デザインの簡素化と写真コンテンツの充実化に加えて、電話やアプリのダウンロード、ニュースレターへの登録を誘導する工夫をサイト全体に施しました。

その結果、検索順位が向上し、自然検索でのサイト訪問割合が10%増え、さらに自然検索を経由した電話問い合わせ数が60%増えるなど、多くの効果がありました。

施策自体はシンプルですが、ユーザーにとってのサイトの見やすさや行動喚起(CTA)の工夫が功を奏した事例です。

レンガ会社Belden Brick社のウェブサイト構成改善

Belden Brick社は取り扱い製品が無数にあり、ウェブサイトのページ数が膨大になっていました。このため、ウェブサイトがまとまらず更新負担が大きかったほか、顧客にとっても使いづらいサイトになっていました。

そこで同社は、サイトの外観をより一貫性を持ったデザインにリニューアルしました。加えて、サイト内部ではHTML・CSSの最適化とコンテンツの書式の統一を行いました。これによりウェブサイトの操作性が上がったのはもちろん、コンバージョン率や再訪問者数も向上したのです。

この事例はSEO対策を主眼としたものではありませんが、SEO対策の基本であるウェブサイト構成の改善によって数値が改善した一例だと言えます。

Qualaroo社がキーワード検索1位2位を独占した投稿記事

Qualaroo社は一時期、「conversion rate optimization(コンバージョン率の最適化)」というキーワードで自然検索の掲載順位のうち上位2位を独占していました。
該当ページのコンテンツはただの記事ではなく、12章にわたるコンテンツで構成されていたのです。どの章もシンプルながら上手くデザインされており、Wikipediaなどの情報と比べるとコンテンツが多くても見やすく、よく整理されていました。

充実したコンテンツを見やすくまとめて上位表示させたケースとして、参考にしたい事例です。

(2021年6月14日現在は、ページコンテンツは変更されています)

海外インフルエンサーマーケティングの事例

SNSで個人が影響力を持つようになり、インフルエンサーを登用したマーケティングが盛んに行われるようになりました。一方で、ステマ(ステルスマーケティング)や詐欺広告などの問題もあり、透明性や信頼性が鍵となる分野でもあります。

ここではインフルエンサーを上手く活用した海外マーケティング事例をご紹介します。

パーソナルケアブランドを扱うTom’s of Maine社のマイクロインフルエンサー活用

天然由来の原料のみを使った洗面化粧品を取り扱うTom’s of Maine社は、健康志向な顧客の認知度向上を目指していました。そこで同社は、特定の分野に強い影響力があり比較的フォロワー数の低いマイクロインフルエンサーを登用しました。マイクロインフルエンサーを通じて、フォロワーに同社の製品を使った投稿を行うように呼びかけました。その結果、キャンペーン開始3ヶ月で4,400万人もの潜在顧客にリーチすることができたのです。

インフルエンサーマーケティングとなるとフォロワー数の多さを求めがちです。しかしこの事例からは、頻繁なインプレッションが必要なマーケティング施策においては、特定の分野への影響力、コストパフォーマンス、投稿数などの指標が重要だと分かります。

高級マットレス製造会社Leesa社のニッチなインフルエンサーマーケティング

Leesa社は、オンラインストアのみを通じて高級マットレスを販売する会社です。オンライン販売のため顧客がマットレスの使い心地を試せず、販売に苦戦していました。そこで同社はインフルエンサーを利用してクチコミによるマーケティング施策を行いました。

同社は、DIYやインテリアデザインなど、製品との相性がよいと考えられるニッチなインフルエンサーを登用し、彼らのSNSを通じて偏見なくマットレスのレビュー情報を投稿してもらいました。インフルエンサーらはマットレスの良さはもちろん、気に入らない点までも詳細にレビューし、さらにレビュー情報とあわせて価格や返品保証、配送情報なども分かりやすく伝えました。これにより、同社はウェブサイトへのリンクのクリック数10万回および400台のマットレスの販売を達成することができました。

製品との親和性があるニッチ市場のインフルエンサーを活用し、高いエンゲージメント導き出した一例だと言えるでしょう。

キッチン用品会社Wolf Gourmet社のインフルエンサーを活用したプロモーション

キッチン用品を取り扱うWolf Gourmet社は、あるフード系インフルエンサーと協力して高価格帯のブレンダーをプレゼントする企画を行いました。同社が選んだインフルエンサーは、ターゲット顧客に特に強い影響力を持つと考えられたインフルエンサーただ1人でした。
インフルエンサーを通じてブレンダーの使い方や利点をアピールすることで、お金を投資する価値のある製品だというメッセージを伝えました。また、プレゼント企画への応募は1万4,000人を超え、高いエンゲージメントを達成しました。

製品の性質とインフルエンサーの相性を見極め、コンテンツの作成にもこだわった一例だと言えます。

海外広告の事例

広告は、オンライン・オフラインともに昔からさまざまな手法で人々の目に触れてきました。

ここでは普通の広告とは一味違う、海外のユニークな事例をご紹介します。

BBC社による映画「ドラキュラ」のビルボード広告

BBC社は、2019年の終わりに新映画「ドラキュラ」が放映されるにあたり、屋外広告を出しました。広告のボードの右側にはタイトルが記載され、左側には赤いインクがしたたる杭が複数打ち付けられているだけでした。

しかし、この広告は光の当たり具合と杭の向きや長さが緻密に計算されたもので、日が落ちると杭の影がドラキュラの顔やキバの形になるように作られていました。
プロモーションする作品の性質をよくとらえた、クリエイティブな広告の一例だと言えます。

タイの通信会社True MoveH社のCM

YouTubeで、あるタイ語の動画が有名になり、SNSで広く拡散されました。この動画は3分にわたる広告なのですが、ストーリー性があり感動の結末を迎えることで多くの人々の注目を集めました。

動画の終わりのメッセージで「Giving is the best communication.(与えることこそが最高のコミュニケーションだ。)」と締めくくり、ここで初めて広告している会社と内容がわかります。動画はファンによって英語や日本語にも翻訳され、2021年時点で再生回数は4,000万回を超えるヒットとなりました。

人々の注目を集めるのが難しい広告ですが、コンテンツとして人の心を引きこんだ好事例だと言えるでしょう。

Waze社のインタラクティブなスポンサー広告記事

New York Times社のスポンサー広告として、Waze社は車の運転に関するデータをテーマにした興味深いコンテンツを投稿しました。コンテンツ内には運転にまつわる情報のほか、「バレンタインの日に花屋に立ち寄った人の中で一番多かった人種は?」のようなクイズと回答も掲載していました。読者が記事内の回答をクリックすれば、その場ですぐに正解が確認できるコンテンツになっています。

双方向性のあるコンテンツは難しく捉えられがちですが、シンプルな形でも実現可能だと分かる事例です。

フォルクスワーゲン社の隠れ求人広告

フォルクスワーゲン社は腕の立つ技術者を募集するため、ターゲットとなる技術者の性質を分析し、技術者らが生活するエリアや生活パターンなどを導き出しました。同社はこの情報にしたがい、広告の掲載場所を選定しました。通常の広告とは異なり、同社は壊れた車を用意しそれぞれの車台の下に「技術者募集」の文字と会社HPのリンクを記載した求人広告を設置し、これらの車をドイツ各地のサービスセンターにわざと送って転職を促したのでした。

ユーモアと創造性のあるブランドイメージを与えた同社は、熟練の技術者を多数採用することに成功したのです。これは、ターゲットの特性をよく理解して広告に反映させた好事例だと言えます。

海外事例を研究してマーケティング施策を成功させましょう

国内だけでなく海外の事例も調査できれば、さまざまなアイディアやインスピレーションを得ることができます。海外の事例を英語で探して読み解くには、基礎的な英語力を身につけたうえでマーケティング分野の頻出語句やフレーズを覚えると便利です。

マーケターが覚えておきたい頻出のマーケティング英語については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

『マーケティング英語ガイド!例文でわかる分野別の頻出用語・フレーズ』

次のマーケティング施策を成功に導くために、ぜひ海外事例をご活用ください。

また、海外のマーケティングに興味のある方は、ぜひBILINGUAL TECHをご利用ください。無料で登録してスカウトを待つだけで、海外展開する日系企業や日本でビジネスを展開する外資系企業など、さまざまな企業と直接つながることができます。

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